2014年05月18日

RECORD STORE DAYに参加してみて vol.2

前回の更新(Vol.1)から日があいてしまいましたが、その間にRECORD STORE DAY(以下、RSD)の在り方について議論が巻き起こっていたこともあり、後編では僕自身の考えも書いてみようと思います。

まずは前回の予告通り、僕のRSD2014についてから。

■RSD 2014、MY購入商品リスト

<邦楽>
@ATATA「2 SONGS EP」
ACHABE/KONCOS「KEEP IN TOUCH/てとてとめとめ」
BCUBISMO GRAFICO FIVE/YUKARI FRESH「EASY LOVE BABY,If You Love Something,Set It Free」
C五味岳久 & 五味拓人(from LOSTAGE)/ Ropes「パノラマ/こどもたち」
D坂本慎太郎 / Mayer Hawthorne「Wine Glass Woman /In a Phantom Mood」
Ethe chef cooks me「ハローアンセム」
FQUATTRO「15D」
GGotch「Can’t Be Forever Young」

<洋楽>
HOASIA「supersonic」
IHAIM「forever」

改めて振り返ってみると洋楽邦楽あわせて10タイトルも購入してたんですね。
もちろん全て当日(4/19)に全て購入できたわけではありませんでした。


■僕のRSD 2014



昼間にどうしても外せない用事があり、午後になってようやく動き始めました。

RSD 2014で一番狙っていたのが大好きなバンド・ATATAの7インチ。全体でも500枚しかないうえに翌週から始まるレコ発ツアーでの販売がメインとなることからRSD当日に店頭に並ぶ枚数が非常に少ないとの情報があったため、朝から動ける友達に頼んでおいたのですが、結局友達もゲットできず(東京の取り扱い店は午前の早いうちにほぼ売り切れてしまった模様)

ただ、結果的に販売元の大阪・FLAKE RECORDSに行っていた友人がその状況を聞きつけ、購入してくれることになりました。ちなみに他にもThe Chef Cooks Meも全く見つけられず、当日夜に渋谷タワレコに追加されたものを友達に購入してもらいました。

ということでRSDに僕が立ち寄ったお店一覧です。

<新宿>
TOWER RECOEDS新宿店
DISK UNION新宿本館
DISK UNION新宿PUNK MARKET
<下北沢>
JET SET下北沢店
DISK UNION下北沢店
<渋谷>
BIG LOVE
TOWER RECORDS渋谷店
DISK UNION渋谷中古館
レコファン渋谷BEAM店
岩盤
<秋葉原>
TOWER RECORDS秋葉原店

当日は気にならなかったんですが、こう書き出すと結構動きまわってますね(笑)
あと、びっくりするほど大手レコード屋系ばかりを回ってます。結局、大手レコード屋にいけば多くの商品が手に入るのではないか、という考えの下に回ってたわけですが、改めて考えてみるとそれってどうなんだろうな、と感じる部分もあったりします(これはのちほど)

■RSD2014に参加しての感想

<様々なレコード屋に足を運んで、お店ごとの雰囲気を楽しめる>

RSDの一番の目的だったりするのですが、やっぱりこれですね。
レコード屋って店内のレイアウトは勿論、地域やお店毎に雰囲気やジャンルのような「カラー」が結構はっきりと分かれていたりするので(個人店になればなるほど)、レコードを求めて様々な店舗を巡るとそれを実感できます。

お店によってはビール飲めたり軽食とれたりする所もあるので、RSDきっかけでお気に入りのお店を見つけて、ビール飲みがてら音楽を探すなんて楽しみも見つけられますしね。

余談ですが、今回色々な地域を歩き回る中で、個人レベルの小さいけど面白い、みたいなレコード屋って本当に減ってしまったなぁと感じました。あったとしてもシニアのオーディオマニアが集まるクラシカルなレコードを取り扱うお店が多く、若い世代が良い意味でダベれる、通えるレコード屋って少ないんですよね。

(当日、こんなこと呟いてました)



<RSDを通じての人との交流>

これが思った以上におもしろかったです。
店舗毎に入荷している商品や商品数に違いがあるため、欲しいレコードをゲットするためには情報交換が重要になってきます。Twitterなんかでは「◯◯(店名)に◯◯(レコード名)がまだ◯枚残ってましたよ!」みたいな情報が飛び交っていたり、誰かが探しているレコードを見つけたら代わりに「買っておきましょうか??」みたいなコミュニケーションが飛び交っていました。

(僕自身もこんな発信をしていたり)





で、Twitterだけじゃなくて意外にも参加者同士のリアルなコミュニケーションも結構ありました。僕は一人でレコード屋を回っていたのですが、お店でレコード漁っているときに横にいた人から「何探してるんですか??」って話しかけれる事がありました。で、そこから「あ、それならあそこで見ましたよ!」「普段なにきくんですか?」「レコードプレーヤーってどこの使ってます?」的な会話に発展する事も多かったです。「お祭り」というムードに加え、まだまだレコード自体持ってる人が少ないため、「共通の仲間」みたいな連帯感が生まれていたことが理由のひとつかもしれません。(ちなみにそこで仲良くなった数人とはその後お互いにレコード貸し合ったりする関係になってたりします。)

また、参加者同士だけでなく店員さんとの交流も結構多かったです。昼間はどの店も盛況だったため話す事はあまりできなかったんですが、夕方以降になってくるとお店も落ち着いてきて、RSDのこと、好きなアーティストの事、レコードの事、等色々話をする事ができました。どのお店でも「今年のRSDはこれまでで一番人入りがすごい」って感想でしたね。

(こんな話もきけたりして面白かった)



ちなみに海外でもこんな感じ。いかにコミュニケーションが大事か分かりますね。





RSDに参加してみて思ったのは文字通り「アナログを楽しむイベント」だったなってことです。レコードを主体にしているって点がまずアナログなんですが、(通販はできないので)ひたすら足を使ってお店からお店を渡り歩き、コミュニケーションを楽しみながら情報交換をする。あくまでもwebの世界がメインではなくサブになってるこの感じ、なんとなく久々でとても心地よかったです。RSD、今年でかなりひとつのイベントとして定着した感があるので、来年更なる発展を期待しています。


■RSD2015に向けて

3回目にして話題性や認知度、参加者についてひとつの壁を超えたとも考えられるRSDですが、来年以降ますますの盛り上がりと定着をみせていくためにも今後、以下の点は改善していってほしいなぁと思います。

<RSD海外限定商品の充実>
日本よりも早く07年にスタートし、毎年の恒例イベントとしてRSDが定着しているアメリカや、レコード文化が日本よりも根付いているUKをはじめとして、海外では日本以上にRSD限定商品が沢山リリースされています(RSDのための新曲はもとより過去作のリイシューや豊富なカラーヴァイナル等)。

ただ、今年のRSD当日、それらの商品は全くと言っていいほど見つけられませんでした。実感としてRSDの参加者は若者が多かった事から洋楽がそこまでバカ売れするイメージもなかったので、なんでなんだろうと疑問に思っていたんです。そしたら店員さんとの会話の中で理由が見えてきました。

ちなみにそのあとの話として、「だから、海外のディストロやレコード屋と個人的にパイプを持ってるレコード屋やバイヤーのみがそのつてを使って仕入れを行っている」とのことでした。なるほどなぁ、という感じですがやっぱり海外限定の商品の豊富さは魅力的なので、(難しいかもしれませんが)来年は当日に海外の商品もある程度手に入るようになると嬉しいですよね、やっぱり。


<RSD参加店舗の充実>
今年でかなり参加店舗数が増えたRSDですが、高円寺だったり西荻窪にあったりする個人経営の小さなレコード屋が思いの外参加してなかった事に驚きました(その事に関するツイートしている人もいたんですが、見つけられず。。。)。また、地方ではまだまだ参加店舗が少なく、東京や大阪といった主要都市のみが大きく盛り上がっていたという印象も拭えませんでした。



個人経営のレコード屋さんは、仕入れのために店主自ら海外のレコード屋やディストロに足を運んでいるケースが多く、個人毎に海外とのコネクションを持っている方が多いという話を聞いた事があります。そういったお店が積極的に参加をしてくることにより上記の海外限定商品をRSD当日に手に入れられる機会がぐっと増えそうな気がします。また、仕事で全国出張をしょっちゅうしていて実感する事なんですが地方にも面白い個人経営のレコード屋多いですし、せっかくのお祭りなので日本全国で盛り上がったら面白いと思うので、RSD事務局には来年に向け営業活動を頑張って欲しいです。

<通販問題とRSDの主旨について>
RSD終了後、アンバサダーであるASIAN KUNG-FU GENERATIONのゴッチ氏を巻き込んで、RSD限定商品の通販について議論(これに関連するゴッチ氏のブログ)が巻き起こっていました。RSD限定商品は「RSD当日から一週間後から通販可(商品によっては2週間後」というルールが設けられていましたが一部店舗で通販やネット予約みたいなものが行われていたようです(その対象がゴッチ氏のレコードであった事から、アンバサダーとしての立場を利用し、自分のレコードの宣伝に使ったのではないか、という批判をした人がいたのですが、RSDに対するゴッチ氏の真摯な活動を見ていれば、これは誤解だと思いますし、言われなき批判だと思います)。

そもそもRSDの主旨って、「レコードを売る」ことではなくて、「経営難によって次々に街から姿を消していくレコード屋を盛り上げるため、限定商品や限定ライブをレコード屋で販売・公演することで近所のレコード屋に足を運ぶ人を増やして盛り上げよう。それによってレコード屋の魅力に気付いてもらおう」という点にある訳です(参考:TAP the DAY「CDショップやレコード屋をつぶさせないぞ!」

その趣旨から考えればやはりRSD当日からの通販やネット予約は主旨違いと言わざるを得ません。一方で手に入れられない地方はどうするんだ、という意見もあると思います。でも、RSDはやっぱりその主旨を大事にしていって欲しいイベントなので、通販という安易な手段ではなく、地方でRSDに参加するレコード屋を増やす、というRSD事務局をはじめとする関係者(音楽ファンも含む)の努力で解決すべきだと思うんです。大事なことはレコードを売る事ではなく、レコード屋に足を運ぶ人を増やす事なのだから。。。。

と同時に、FALKE RECORDSのダワさんのこのツイートにも考え曝れられました。



RSDって主旨に照らせば、個人経営の小さな街のレコード屋を盛り上げるためのお祭りなんですよね。タワレコをはじめとする巨大な資本を持つ大手レコード屋が力を入れれば入れる程、商品数も豊富なそちらに参加者が集まる傾向が強くなってしまい、小さなレコード屋に足を運ぶ人が少なくなってしまいます。僕自身、今年のRSDは大手レコード屋を沢山回っていましたが、一回目の参加を終え、少し時間を置いてから考えるともっと小さなレコード屋をいっぱい回った方が良かったし、面白かったんではないか、と思います(一方で、前回のブログでも書いた通り大手レコード屋が積極参加した事が今年のRSDを盛り上げた理由のひとつでもあると思うので、彼らがただ悪いとは思いません)。

上のツイートでダワさんも「まだそこじゃない」と言っている通り、今後もRSD定着のために大手レコード屋にも積極参加してもらいながら、個人経営の街のレコード屋の参加もどんどん促して盛り上げていく、両輪のアプローチが必要なんだと思います。


と、簡単に纏めてみました。ネガティブなことも少し書きましたがRSDは本当に良いイベントだと思うので、来年以降もどんどん盛り上がって欲しいと思います。前回のブログで、RSD2014が盛り上がった要因として僕は以下の3つの項目を挙げました。

@ゴッチ氏のアンバサダー就任
ARSDJ限定アナログのリリース増
BRSDJ参加店舗の増加

ABについては、今年の盛り上がりがあるので増える事は間違いないと思います。中でもBについては上記の通り、地方も含め個人経営のレコード屋が積極参加してもらえたら嬉しいなと思います。また、広報活動としてかなり重要になってくる@のアンバサダーですが、初代がゴッチ氏とかなり知名度と影響力がある人になっているので、来年はそれと同等、もしくはそれ以上に知名度がある人が必要になってくるのかな、と。個人的にはゴッチ氏と同じくレコード愛を公言しており、多くの世代から知名度があるサカナクションの山口氏に就任してもらえたら嬉しいな、と思います。

長々と書いてしまいましたが、RSD2014とても楽しかったです。来年も楽しめるよう、今から「RSD貯金」をしておきます(笑)
posted by Ai_Tkgk at 03:58| Comment(0) | 考察・コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月21日

RECORD STORE DAYに参加してみて vol.1

4月19日(土)は「RECORD STORE DAY 2014」(以下、RSD)。
これまでは、気になるものの身近な存在でなかったRSDですが、昨年末にレコードプレーヤーを手に入れた事もあり、今年は当事者として初参加してきました。

ということで、RSD初参加の雑感を2回に分けて簡単に書いてみます。
今回は、そもそもRSDってなんなのか、日本の状況と2014の様子(実感レベル)について簡単に纏めました。


■そもそもRECORD STORE DAYとは?




僕のブログでは(勝手に)御馴染みのFLAKE RECORDS・ダワさんのツイート。

RECORD STORE DAYとは、レコード屋とアーティストが一体となって、近所のレコード屋に"直接足を運び"、 "CDやアナログレコードを手にする面白さ"や"音楽の楽しさを共有"する、年に一度の「祭典」のことです。2007年にアメリカでスタートして以来、4月の第3土曜日に開催されています。毎年、限定盤のアナログレコードやCD、グッズなどがリリースされると共に、この祭典を盛り上げるために多くのアーティストが世界中のレコード屋でライブやイベントを行っています。(RECORD STORE DAY JAPANのHPより内容抜粋)

ちなみにRSDでは、毎年ビッグアーティストがアンバサダー(大使)に就任することでも有名です。過去にはメタリカ、イギー・ポップ、ジャック・ホワイト等そうそうたる面々が名を連ね、2014年はパブリックエネミーのチャック・DがHIP HOP畑から初のアンバサダーに就任した事も話題になりました。

日本ではRECORD STORE DAY JAPAN(以下、RSDJ)として2012年にスタート。3回目の開催となる今年は、アナログ好きとしても知られるASIAN KUNG-FU GENERETIONのゴッチ氏が国内初のアンバサダーに就任したことで、いよいよ日本でもRSDが本格的に盛り上がるのでは??と開催前から期待の声があがっていたのを覚えています。


■今年のRSDJはどうだったの??

まだなんらの公式データも発表されていないので何とも言えませんが、個人的な感覚としては、「今年のRSDJは昨年に比べてかなり盛り上がったなぁ」というものです。

僕はこれまで参加はしていなかったものの、4月の第3週土曜日はこっそりTwitterを覗いていましたし、様子見に街中を歩いたりしていました(笑)で、TL上で呟かれている量も、街中で見かけるレコード袋を抱えている人の数も、昨年に比べて圧倒的に多い印象を受けました。実際、「朝イチで出たのにお目当てのレコード売り切れてた!」や「人が多すぎてお店に入れない!」なんて声がTL上に飛び交い続けていました。










なんで今年はこんなに盛り上がったのかなぁ、とか考えてるんですけど、パッと思いつく理由はこんな感じです。

@ゴッチ氏のアンバサダー就任
自ら運営するレーベルからアナログをリリースし、Twitterやブログ等で日頃からアナログ愛を語っている点に加え、幅広い層から支持を受けるロックバンド・ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカルを務めるゴッチ氏。

おそらくそんなゴッチ氏は、アナログ好きからの好感度も高く、かつアナログやレコード屋にちょっと距離を感じる若い世代にも身近に感じられる存在。彼がこの祭典の「顔」になったことが結果的に昨年までよりも幅広い層にリーチできた理由のひとつなのではないかな、と感じます。


ARSDJ限定アナログのリリース増
RSDJのHPによると、過去3回のRSDJ限定商品のリリース数は以下の通りです。

・2012年:4作品
・2013年:14作品
・2014年:44作品

<参考>
RSDJ2012/2013のリリース作品
RSDJ2014のリリース作品

2014は2013の約3倍ものリリースがあったわけです。もちろんその中にはロックだけでなくHIP HOPやエレクトロニカ、フォークにアイドルと非常に多岐にわたるジャンルからラインナップされており、その分だけRSDJに興味を持った層が増えたのではないか、と考えられます。

加えて、今年のラインナップにはアジカンやきゃりーぱみゅぱみゅ、サンボマスター、くるり、木村カエラというようないわゆるチャートの上位に顔を出す知名度の高いアーティストのラインナップが増えた事で、レコードに馴染みが薄い層にも興味を持たせる事ができたのではないかと思います。


BRSDJ参加店舗の増加
RSDJ 2014では全国各地のレコード屋が約100件参加しています。残念ながら2012と2013の参加ショップ一覧を見つける事ができなかったので正確な数は分かりませんが、昨年に比べて確実に参加店舗数は増えたのではないかと思います。

特に影響力が大きかったのがレコード屋最大手・タワーレコードの大規模参加。音楽好きにとって身近な存在のタワレコの参加によって「音楽は好きだけどアナログは持ってません」という人達が、土曜にタワレコ寄ったらRSDJやってたので普段触れないアナログ触れてみよう(場合によっては記念に7インチ1枚買ってみよう)というきっかけになりえたのではないかと思います。

※ただ、RSDへの大型レコード屋の参加を手放しで喜んでいいんだろうか、なんて感じる部分もありました。それはまた改めて。

<参考>
RSDJ2014の参加店舗一覧
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ということで、次回は僕自身の当日の動きや購入商品、そしてRSDに初参加してみて感じた事を簡単に書いてみたいと思います。鉄は熱いうちに、ということで早めに更新する予定です!
posted by Ai_Tkgk at 22:58| Comment(0) | 考察・コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月05日

レコード福袋から考える「レコメンド」の重要性

FLAKE RECORDSの福袋を買ってみた

去年、クリスマスプレゼントに念願のレコードプレーヤーを貰って以来、週2枚くらいのペースでレコードを買いまくってます。レコードの音の温かさもさることながら、レコード屋で好きなレコードをDigる(探す)行為が楽しくて楽しくてしょうがないんですよね。(これきっかけでレコードについて調べていたら、近年におけるアメリカを中心としたレコード復権が興味深かったので、このことについては近々別エントリーで書くつもりです)

で、そんな中、年明けに大阪のレコード屋「FLAKE RECORDS」の名物店長・ダワさんがこんなツイートをしているのを目にしました。




これは、「○○(アーティスト名)っぽいバンド」みたいなリクエストはできるものの、基本的には値段に応じた枚数のレコード(もしくはCD)を“店長がセレクトして”送ってくれるというもの。どんなものが来るのか興味もあったので、「Vampire WeekendみたいなUSインディーもの」というリクエストをつけて、5,000円コース(12 inch×5枚)を頼んでみました。

一週間後、届いた5枚がこちら。

レコード.jpg


@WHITE RABBITS / It's Frightening [12 inch Analog]



ANODZZZ / Innings [12 inch Analog]




BGOLDEN TRIANGLE / Double Jointer [12 inch Analog]




CYoung Rival / YOUNG RIVAL [Analog]




DDISTRACTIONS / Dark Green Sea [12 inch Analog]



いずれも聴いたことがないバンドにも関わらず、どれもこれも何廻しもしたいくらい素晴らしい!
FLAKE RECORDSの福袋は期待以上の内容でした(来年も買います!)

でも、¥5,000って決して安くはないですよね。洋楽輸入盤なら “自分の好きな”アルバムを新品なら3枚、中古なら5枚くらい買えちゃう金額じゃないですか。「届くまで何が来るかわからないものをなんで買ったの?好きなもの買えばいいじゃん!」って友人から言われたりもしたんです。「いや、それが福袋でしょ!」って言ったら元も子もないので(笑)、なぜレコード福袋を買おうと思ったのかを考えてみました。


FLAKE RECORDSのオススメだからこそ

音楽好きの人の多くは「自分が好きなジャンル・テイスト」で「まだ出会っていない」音楽を常に求めていると思うので(勿論、僕も)、今回の福袋購入は「目的実現のための手段」という関係性になります。

じゃあなぜ、その手段を選んだのかって話です。

それは「FLAKE RECDORDSとダワさん(店長)に対する信頼」が大きかったってことなんです。

僕の中で、FLAKE RECORDSそして店長のダワさんは、メジャー/インディー問わず様々な国内ミュージシャンとの交流があることに加え、洋楽に対する強い想いと深い造詣を有しているというイメージがあります。店舗に足を運んでみると店内商品の8〜9割くらいがオルタナやUSインディーを中心とした洋楽ですし、その中には日本ではまだまだ知られていないこだわりのアーティストの作品も置いてあったりして“洋楽に強い”お店であることが実感できるんです。僕は、いわゆるUSインディー系のミュージシャンが結構好きなんですが、これまでFLAKEがPUSHしていたミュージシャンたちは大体ストライクど真ん中だったという経験もありました。

ゆえに、僕の中で「洋楽、特にUSインディーに強いFLAKE RECORDS」と「そのFLAKE RECORDSが薦めるミュージシャンなら当たりの可能性が高い」という信頼が成り立ったので、その信頼にお金を出してみようと思ったわけです。還元すれば、「信頼できるモノからのレコメンド」に対する投資チャレンジと言う感じでしょうか。


残響ショップのブラインド販売について考えてみる

で、実際こういうシステムが成功しているケースが出てきています。

Drillspin Column第34回:店頭のCDを見せずに聴かせたら売上が4倍に伸びた!〜CDの売上が急上昇した小売店の実例〜

残響ショップのブラインド販売、結構話題になってますよね。アーティスト情報の一切を隠した状態でお客さんに音源を視聴をしてもらい、購入した人だけにアーティストの詳細を教えるっていうシステム、とても面白いと思います。もちろん、この販売方法自体もとても面白いんです。ただ、この販売法、そもそも全く情報が分からないアーティストの音源を聴いてもらうという割と大きなハードルがありますよね。このハードル超えさせる成功の陰には、「残響であること」も少なからず影響していると思うんです。

残響ショップの運営母体である残響レコードに所属するアーティストは、いわゆる「残響系」というような括りで呼ばれたりしています。それは、9mmやcinema staff、teをはじめとするよ「轟音」「激しいパフォーマンス」がキーワードになっているアーティスト達です。残響レコードに所属するアーティスト達は、その核の部分に強い共通性があるように見受けられます。つまり、残響レコードには、レーベル独自のカラーがあって、音源がリリースされるアーティストは、その音源を聴く前からアーティストの持つ世界観がある程度想像できるわけです(これが残響系)。いわば、残響レコードはレーベルそれ自体が信頼に値する「ブランド力」を持っているって訳です。社長の河野氏は著書「音楽ビジネス革命」で「残響レコードは“レーベル買い”ができるレーベルを目指している」と書いていますが、レーベルカラーの独自性ゆえ「残響所属なら買ってみる」というファンがついている日本では数少ないレーベルだと思います。

残響ショップを訪れる人の多くは、多かれ少なかれ「残響系」のイメージを自分なりに持ち、そのイメージに好意を抱いていると思うんです。「残響ショップが選んで並べているアーティストなのだから、たとえ情報が分からなくても聴いてみたらハマる筈だ!」という動機が生まれ、ヘッドフォンを耳に当てるところまでいくお客さんも多い筈です。これも信頼できるモノ(レーベル)からのレコメンドに対する信頼がなす技ではないでしょうか。

で、この「レコメンド」調べてみると、海外では、少しずつとはいえムーブメントが来ているようなんです。

[海外] 英老舗レコ屋「Rough Trade」がThe Guardian紙と提携し、サブスクリプション型音楽サービスを開始

UKロック好きならその名を知らぬ者はいない、と言われる伝説的なレーベル「Rough Trade(以下、RT)」。The Smith、The Libertines、The Strokes、、、とこのレーベルが発掘し世に出してきたバンドの名前を挙げたらキリがありません。そんなRTが英国紙The Guardianと始めた「Tracks Of The Week」は、週額500円程度で毎週金曜にRTがオススメする楽曲がMP3形式で6曲送られてくるというものです。

ホワイト・ストライプス、サード・マン・レコード会員のみにライブ盤やライブDVDなどをリリース

00年代前半に欧米で起こったガレージロックリバイバルの最重要バンドの1つThe White Stripesのフロントマン・Jack Whiteが主催するレーベル兼レコードショップ「Third Man Records(以下、TMR)」が始めているサービスが「the vault」。これは3ヶ月単位(7,000円程度)で登録するTMRのファンクラブ。登録した会員には3ヶ月毎にTMR所属アーティストのレアもの音源が送られてくるというもの。過去にはストライプスの未発表音源やシークレットライブのLPも送られてきたとか。

いずれも手元に届くまでなにがくるのか分からない。ただただ相手のレコメンドを信じるのみ。つまり、レコードショップなりレーベルなりに対する信頼の上に成り立っているサービスだと言えます。


これからは「レコメンド」が重要になってくる気がする

2012年の夏、音楽ジャーナリストの鹿野淳氏が主催する音楽ジャーナリスト養成講座「音小屋」に参加し、5〜10歳くらい年が離れた音楽好き達と話をする機会がぐっと増えました。

彼らの世代は、高校生の頃からYouTubeやニコニコ動画が当たり前に存在し、気になったアーティストの曲はすぐにでも検索して聴けてしまう環境にあります。また、webやSNSも発展していることから、様々な情報を瞬時に手に入れる事ができる。レコードショップに一生懸命通って仲良くなった先輩にCDを借りたりおすすめを教えてもらったり、まだ見ぬアーティスト(特に洋楽アーティスト)の動く姿を想像しながら音源を聴いていた、音楽に対する入り口がとても限定されていた僕の世代からすると本当にうらやましい限りです。

ただ、彼らと知り合って感じたのは、僕が思っている程新しい音楽に対してアプローチをしている人が少ないという事です。そして彼らが揃って口にするのは「入り口が広すぎてなにから聴き始めれば、どのように広げていけばいいのか分からない」ということでした。音楽に触れる事ができるインフラが整備されすぎてしまったせいで、逆にどのように出会いを見つけていけばいいのか分からない、という状況が起きてしまっていたという事です。だからこそ、これからは情報の海を泳ぐための灯台として、各々が「信頼できるモノ(レーベル、お店、人)からの“レコメンド”」が重要性を帯びてくるのではないか、なんていう考えがふつふつと湧いてきた訳です。2014年はこの「レコメンド」について、色々な角度で考えていきたいと思っています。

posted by Ai_Tkgk at 00:22| Comment(0) | 考察・コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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